こんにちは 江戸張り子の工房 はりこのはやしやです
今日は小さな鷲木兎の張り子のご紹介とともに
ワシミミズクとはなんなのか
そんな木兎決定版的なブログ記事を描いていこうと思います
ゆるりとお付き合いくださいませ
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みみずくは明和、安永期(1764〜81)以降に定着したと言われている
疱瘡避けの呪い玩具です
長い耳に赤い体、お腹には「寿」の文字や宝珠が描かれたデザインが主流であったようです
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●だるまとみみずく●
みみずくは疱瘡という病の呪い玩具として人々に親しまれてきました
疱瘡は主に子供がかかる病気であったことから
玩具を魔除けとした風習があり、その玩具の一つにみみずくの張り子がありました
そのみみずくとペアで知られていたのがダルマです
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だるまは今でこそ、選挙などの必勝祈願のイメージが強いのですが
江戸時代は疱瘡避けの意味合いが強い玩具でした
みみずくは疱瘡と運命をともに消滅しましたが
だるまはうまく転職できたということなのですね
(個人的な意見ですが、だるまが残り、木兎が消えた理由の一つに制作の手間があるのではないかと思います。だるまは丸くて単純な形をしており、原型も一つで済みますが
みみずくは3つの部品(胴体一個、耳二個)を組み合わせなければならず、成形の際の手間がだるまよりずっとかかります。
今は高崎など、ダルマのみを作る業者が多いですよね。
疱瘡が撲滅したのち、張り子業者は生き残りをかけて手間のかかる木兎をやめ、だるまに集中したのではないかというのが、私の考察です)
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●うさぎとみみずく●
疱瘡避けの玩具として江戸時代はウサギもたびたび用いられてきました
それはうさぎの目が赤いことから、疱瘡による発疹の色(赤)と関連づけられるのですが
実はうさぎの身が、疱瘡の妙薬になると考えられていたのだそうです
疱瘡による失明を防ぐために、洗顔薬の基材としてうさぎのフンを用いたり
血を妙薬にしたり
うさぎの手で発疹による痒い部分を撫でたりしたそうです
。。。。。。。。。。。。。
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ここまで疱瘡と密接な関係があったうさぎですが
やはり玩具としての代表は相変わらずだるまとみみずくでした
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それはなぜか
その謎は玩具としての木兎の独特な形にあります
張り子のみみずくの姿は実物のそれよりもずっと耳が長いのです
また、みみずくの胴体にうさぎの頭が押し込められているような絵本の挿絵も残っているそうです
このことから耳を介した外見上のイメージが、江戸の人々には重なって見えていたことが推測されます
みみずくは漢字で書くと木兎ですよね
みみずくはうさぎのイメージを肩代わりしていたと考えることができます
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●みみずくと薬売り●
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邪気を払うと言い伝えられてきたみみずくは、薬売りの客引きのための見世物に利用されていました
そのことから、みみずくを見て江戸の人々が想起するのが薬売りであったことが考えられます。
それが、疱瘡避けへと連想が広げられたのではないかと考えられます
●みみずくと大きな目●
大きくて丸い目を持つみみずくは、疱瘡による失明に対抗しうると考えられてきたそうです
瞼が腫れ上がり失明して行く疱瘡への対抗の念から、丸い目を持つ木兎に白羽の矢がたったと想像できます
。。。。。。
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明治時代を最後にほぼ消滅したみみずくですが
現在では復刻を行う人が現れたりと少しずつ広まっています
これは私の考えなのですが
ふくろう雑貨のコレクターは多いですよね
その層が木兎の張り子に気づいてくれたら
木兎が流行る日も来るのではないかと思っています
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ここからははりこのはやしやの木兎のご紹介です
。。。。。。
●鷲木菟(わしみみずく) 朱 如意三宝珠●
一勇斎国芳画 為朝と疱瘡神に登場するワシミミズクを張り子に復刻しました
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●極彩色鷲木兎 鳳凰錦●
北斎の肉筆画、鳳凰から着想を得て制作したワシミミズクです
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●みみずく張り子●
大阪府立中之島図書館所蔵のワシミミズクの絵を参考にしました
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※こちらの商品は完売しました
最後までご覧くださりありがとうございます
また次回のブログ記事でお会いしましょう
参考文献
浮世絵の中の江戸玩具
藤岡摩里子著
コメント
とても読み応えある記事でした!達磨とミミズクが対になって疱瘡除けだったとは、なくなる経緯の推測含め、実際の制作者さんならではの視点でおもしろかったです。
可愛らしい小さなミミズクは早すぎて買い逃したのが残念です。ぜひまたご制作いただけるとうれしいです。
ありがとうございます
私が子育て復帰後第一作が木兎でした
その為ブログ記事も思いを込めて制作していたので
そう言っていただけて嬉しいです
木兎を増やせるようにがんばりますね
またたまに覗きにきてくださると嬉しいです
ありがとうございます