懲りずに病みながら大作を作ったのでみて欲しいです。
こんにちは 江戸張り子の工房 はりこのはやしやです。
以前運営していたツイッターを退会後、私は変な脅迫概念を消し去ることに成功し、解放感に浸っておりました。
どのくらいの解放感かというと、滅多に外食しない私が、2週間で2回も新河岸のぽんぽこ亭へ行き、
鰻重やらナマズの天ぷらやら鯉あらいを堪能してしまう様な変な解放感です。
外へ出歩ける程にメンタルが絶好調で、人ってお薬なしでもこんなに穏やかな気分になれるのかと、我ながら感動しました。
その絶好調メンタルをさらに加速させたお仕事があります。
『財務会計』です。
1年365日分の膨大な量の領収書や、複数の通帳に記載された内容を
ひたすら仕分けして入力する単純作業です。
例えば夫が仕事に使うプラモデルを買っている場合は『仕入高』
夫が仕事に使うクリアボックスやファイル、ポリ袋は『事務用品費』
張り子やプラモの発送のために買った箱やガムテープなどは『荷造り発送費』
こんな感じでひたすら仕分けていく作業を何日も何日も繰り返しておりました。
そうしたらです。
メンタルが回復して行ったのです。
一見非常に億劫に見える作業ですが、
常に張り子を作りながら心の中の混沌と葛藤していた私にとっては
何にも考えなくていい単純作業なので、領収書を打ち込めば打ち込むほどに
自分の性格がぱあっと明るくなっていく様な感覚がありました。
『大変だけど終わりがある』
『やり抜けば目に見えて家計に成果が現れる』
お金の打ち込みは大変ですが楽しい作業でもあるのですよね。
というわけで去年の12月ごろの私は
可愛い子供達がいつもの倍可愛く思えていましたし、
1日に何回も何回もでかい段ボール箱に入ったプラモデルが届いても何とも思わなくなりましたし、
料理や掃除も苦ではなくなり、
庭の草花や小鳥達も愛おしく感じる様になったのでした。
そんな毎日を送っていると物足り無さからでしょうか。ふとよぎるのです。
『首が5つあるワニが作りたい🐊』
元々ワニワニパニックをリスペクトした、首が5つあるワニを作りたかったんですよ。
はい‼︎クロコダイルサターン、製作スタートです〜!
ゆらゆらと揺れるところもよかったらご覧くださいませ
この張り子を作っていた時期は娘が水疱瘡になったり色々と大変な時期でした。
4歳の娘は『無症状コロナ』ならぬ『(ほぼ)無症状水疱瘡』だったんです。
張り子活動に勤しんでいた午前中、園からの電話がありました。
「首の後ろに発疹があるから病院に連れて行って欲しい」
とのこと。在宅勤務中の夫が迎えに行ってくれました。
早く帰れる嬉しさでいつにも増してしゃかりき元気な娘が帰宅。
首の後ろを見てみると、既にカサブタになっている発疹が数個ありました。
「先生こんなのよく気付くなあ、これ良くある乾燥性の発疹なのでは?」
と考えつつ小児科へ連れて行ったところ、小児科の先生から
「典型的な水疱瘡の発疹です。年内はお家の中で過ごしてください。」
と初見ですぐに水疱瘡と診断。しかもこれから1週間以上、
この元気すぎる娘を外で発散させずに、ずっと家の中で時には2人きりだったり
学校帰りの息子と喧嘩するのをなだめたりしながらの生活なのか…
まあ結果楽しかったから良いのですけどね。
庭でシャボン玉をしたり、一緒にお花にお水をあげたり、
お人形をカラー油性ペンとヘアゴムを使って鬼滅の刃の蜜璃ちゃんにリメイクしたり
(娘はすごく器用で上手なんですよ。油性ペンで元々白に近い金髪を黄緑とピンクに塗り分けて、丁寧に3本の三つ編みにして、リボンを3つ留めるのを見た時は驚きました)
目の輝きがうまくできないと言って泣くので
油性ペンで真っ黒になった目をあくせくしながらアイリペイントし直したり
蜜璃ちゃんに段ボールでお家を作ったり、段ボールで作ったビーチで蜜璃ちゃんやその他人形達を遊ばせたり
帰ってきた息子と唐突に意気投合して二人で遊び出したり
(普段は喧嘩していることが多いものでこの光景はホッとするとともに癒される瞬間です)
そんな感じで過ごしていました。
でもなんだかんだお家ライフで一番役立ったのがYouTubeなんですよね。
ひまわりチャンネル様にはかなりお世話になりました。
そして娘がひまわりチャンネルを観ている時が、私のクロコダイルサターンの制作時間となるわけです。
このカラフルな絵付けですが、
以前2018年ごろに作った花蛇宝珠でもこの様な表現を用いました。
この時の表現法を使い、また違う張り子が作りたくて、この様な彩色になりました。
元々はもっと郷土玩具的な、素朴な絵付けにする予定でしたが、前々からやりたい表現でもあったのでついつい凝ってしまいました。
楽しかったです。
クロコダイルサターンの名前の由来ですが、第2次大戦の空襲を生き延び、84歳の大往生を遂げた モスクワ動物園のワニ、サターン(Saturn)にちなんで名付けました。
サターンの生涯はすごいです。
アメリカで生まれ、その後ドイツで暮らし、ロシアでその生涯を閉じました。
しかもドイツのベルリンの動物園では空襲で仲間のワニが数等死んだ後、3年間も脱走していたそうです。脱走中の行方は完全に不明だったそうです。
アドルフヒトラーの収集動物だったとの説もあるそうですが、これは噂なのだそうです。
モスクワ動物園ではおそらく国の宝として相当大切に育てられていたのだろうな。
とか、飼育員さんの責任凄かっただろうな…シベリア送りにされてないかな…とか、
色々と想像力をかき立てられます。
↑この一番左上の、青いグラデーションのかかったワニはサターンそっくりに描いています。
手や足の表現がうまくいって気に入っています。
少しウルトラ怪獣感が出たんじゃないかと一人満足しています
真ん中のこのの子が一番きりりとしています
5つとも首はゆらゆらと良く揺れます。
楽しく穏やかに作り続けたいクロコダイルサターンですが
やはり本来、育児の休憩時間であるはずの、娘の動画タイムにひたすらこれを塗り続けていると
ちょっと気がおかしくなるものなんですよね。
なんとか完成しましたが、気がつくと頭の中がクロコダイルサターンで一杯になってしまうのです。
これは良くない兆候で、心ここに在らずになってしまうと、目の前に子供がいても日常が送れなくなるのですよね。
夫が会社に行っているときなどは家に大人は私しかいないので、
やはり熱を入れすぎるのは良くないと、いつも通りではありますが反省しています。
というわけでクロコダイルサターンでした。
最後まで読んでくださりありがとうございます。
また次回のブログ記事でお会いしましょう。
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