こんにちは 江戸張り子の工房 はりこのはやしやです
今回は張り子でギリシャ神話に登場する幻獣 ヒュドラーを制作したのでご紹介いたします
神話によるとヒュドラーはアルゴリス地方の沼地に住み
しばしば人々を荒らして回っていたそうです
その為ミュケーナイ王エウリュステウスはヘラクレスにヒュドラーの退治を命じます
ヘラクレスはヒュドラーの吐く毒気に気をつけながらヒュドラーの巣穴に火の矢を打ち込みます
しかし、ヒュドラーの首を棍棒で叩き潰しても、傷口から二つの首が生え、首の数がどんどん増えてしまうことに気づきます
ヘラクレスは甥のイオラーオスに助けを求めます
イオラーオスはヒュドラーの傷口を松明の火で焼き、首の再生を防ぐ方法を思いつきます
ヘラクレスはヒュドラーの真ん中にある一つの不死身の首を切断し、巨大な岩の下敷きにして倒します
●ヒュドラーの毒について●
ここからは戦いの後、ヒュドラーの毒についてです
ヘラクレスはヒュドラーの体を切り裂き、猛毒の入った胆汁を取り出し、自分の矢に塗って戦いに用いました
これによりヘラクレスの矢は一撃必殺の武器となり、様々な場面でその威力を知らしめました
しかし決して癒えることのないその猛毒が仇となります
ヘラクレスがケルベロスとの戦いを行っていた際、その争いに巻き込まれていた賢者ケイローンの膝に、謝って矢を命中させてしまうのです
しかしケイローンは不死身ゆえに、その毒に長く苦しみます
不死身のケイローンは苦しみから逃れるために
ゼウスに頼んで不死身の能力をプロメテウスに譲り、死を選びます
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さらに後、ヘラクレスは自分の妻デーイアネイラをさらおうとしたネッソスを弓で射て殺します
死に際、ネッソスはヘラクレスの妻デーイアネイラに
「自分の血は媚薬の効果がある。ヘラクレスが心変わりしたときには、自分の血を使え。」
と言います
後にヘラクレスが戦利品として絶世の美女イオレーを得た際、心変わりを恐れたデーイアネイラはネッソスの血をヘラクレスの下着に塗ります
ネッソスの血には矢を通してヒュドラーの毒が含まれていたのです
ヒュドラーの毒はヘラクレスの体を蝕みます。
癒されぬ苦痛に耐えかねたヘラクレスは自らを焼き尽くすことを選びます
こうしてヘラクレス自身もヒュドラーの毒により人間としての生に終止符を打つことになります
凄まじい毒を持つヒュドラーのお話を書いてきましたがいかがでしょうか
最後にちょっと張り子の紹介もさせてください
今回は今まで作ってきた首のいっぱいある張り子の中で作りも見た目もかなりシンプルなものとなり、自分自身でもとても気に入っています
自分が目指している郷土玩具らしさ、朴訥さを出すことができたかなとひとり満足しております
今後もいろんな作風の張り子を作っていくと思いますが
今回作ったヒュドラーのようなシンプルな作風も忘れずに張り子作りをしていきたいです
最後まで読んでくださりありがとうございます
また次回のブログ記事でお会いしましょう
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